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学校長 菅原出の「飛耳長目」 - 2022年12月3日

学校長 飛耳長目 Dec 03, 2022
菅原出の連載コラム

こんにちは!オンラインアカデミーOASIS学校長の菅原出です。

前号を配信してから少し間が空いてしまいましたが、この間にも世界では様々な新たな事件が起きています。その中でもっとも注目されるのが、中国各地に広がっている抗議デモでしょう。

今回のデモは、新疆ウイグル自治区のウルムチで起こった火災の犠牲者への追悼から、ゼロコロナ政策への批判、そして習近平氏を糾弾する政権批判へとエスカレート。中国で政権批判が全国的に広がるのは非常に珍しいことですが、それだけでなく、世界各地の中国人たちが習近平政権を批判するデモを起こしており、世界各地に反政府抗議デモの連鎖が起きるという前代未聞の事態に発展しています。

習近平氏は、政敵を力でねじ伏せて自身に権力を集中させてきましたから、習氏に恨みを持つ政治的なライバルたちが、ここぞとばかりに反習近平デモを焚きつけていたとしても全く不思議ではありません。今後の動向に大注目です。

また、デモと言えば、イランでも反政府デモが続いていますが、1122日にイランの原子力庁が、同国中部のフォルドゥにある核施設で「濃縮度60%のウラン製造を始めた」ことを発表しました。あまり日本では大きく報じられませんでしたが、これは非常に危険な動きです。

イランはこれまでも核兵器級の90%に近づく60%のウラン濃縮を行っていましたが、中部のナタンズにある核施設を使っていました。

今回、フォルドゥの核施設で行うと発表した点が非常に重要です。なぜならフォルドゥの核施設は地中深くにつくられていて、イスラエルが現在保有するバンカーバスターでは破壊が困難だとされているからです。この場所で60%という高濃縮ウランをつくることは、非常に政治的にはセンシティブかつ挑発的な行動であり、米国にとっても、イスラエルにとっても看過できないはずです。

世界はますます危険な方向に進んでいると言わざるを得ません。

11月19日には折木良一先生の「危機とリーダーシップ②-ウクライナ戦争からの視点-」、1120日には佐藤丙午先生の「経済安全保障①-経済安全保障とは何か‐」、1121日には渡瀬裕哉先生の「アメリカ政治の勘所①-共和党と民主党の予算の考え方-」も公開されています。是非ご視聴ください。

世界は今、100年に一度の大きな変動期を迎えています。歴史や地政学をはじめ、国際政治や安全保障を基本から学ぶことが、今こそ必要とされています。

是非一緒に学んでいきましょう!

 

菅原 出

OASIS学校長(President